カフェの店長をしていた時に、系列店の本店でロースター(焙煎)のマネージャー(責任者)をしていた方に、
本店に行った折、コーヒー淹れてくれる?ってお願いされたことが何度かありました。
その方は先輩でもあり、焙煎のみならずコーヒー抽出においても良い腕をもっていたので、
僕なんかに淹れてもらわなくても美味しいコーヒー淹れられるじゃないですか(笑)と言ったところ、
いつも自分で淹れてるから味の想像がついてしまうし、他人の淹れたコーヒーも飲みたいとのこと。
もちろん自分も店長を任されている手前、腕に自信を持っていたので喜んでコーヒーを淹れました。
ですが、その先輩の言葉によって色々と気付かされました。
同じ系列店で働く、店長・マネージャークラスでもプロとしての腕も淹れ方も同じ程度だとしても
味に、良い意味での個性がでることがはっきりと認識でき、
かつ、それを除いても他人に入れてもらったコーヒーが美味しく感じることです。
某星付きレストランのシェフも普段家では奥さんの作った料理を食べているという話を聞いた時もそのことがあったため、
なるほどと思いました。
どんなに家で自分自身で美味しいものがつくれても、外食で食べるご飯が美味しいことと似ているのも
これに近いものがあるのだろうと実感するところです。
どんなに自分で作ったものが美味しくても他の人が作ったものが美味しく感じる、
食べてみたい飲んでみたいと思う心理があるということ。
どんなに自分自身で料理するのがコスパが良くても、料理・調理の腕が良くても
外食をする人やことが絶えないことの理由の一つだと感じました。